狩唄のあとに / ****'04/小野 一縷
思える深度 なんという時間の深さだろう
時間という素粒子が 雨水のように身体に 滲入してくる
肉 血 骨 神経 それらで形成された この時計
チクタクではない もっと そう 滑らか
スムースに秒針が刺さってくるのを感じる
女性的な身体感覚とも言えないだろうか
受け入れる ああ 言葉が追いつかない
この絶頂への進行へ 追いつける言葉を こうして探している
・・・光
光が見える
単純な愚か者は この程度のことで悟ったとか言い出すらしい
まだまだこの密猟は続く この先へとまだ狩場が続いているから
それを知っている ここは 大した狩場じゃない もう何百回と来ている
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