沈黙についてのメモ/葉月二兎
 
るのもこの眼差しなのだ。

(語りえぬ「沈黙」、それは語りえないものに対する言葉の内包された抵抗でもある。)

そうした言葉なき言葉の言葉による抵抗の中「眼差す」こと。「沈黙」そのものを、もしくは「シ」そのものを。

―――声はみな石と化してしまった、
     埋められた空の沈黙よ       (サルヴァトーレ・クァジーモド)

あらゆる「問い」の余白を通り過ぎる風のように、「眼差し」こそがあらゆるイメージと沈黙とを通り過ぎてゆく。

―――眺められたものの非現実性が
     視線に現実性を与える       (オクタビオ・パス)

私にできるの
[次のページ]
戻る   Point(3)