沈黙についてのメモ/葉月二兎
るのもこの眼差しなのだ。
(語りえぬ「沈黙」、それは語りえないものに対する言葉の内包された抵抗でもある。)
そうした言葉なき言葉の言葉による抵抗の中「眼差す」こと。「沈黙」そのものを、もしくは「シ」そのものを。
―――声はみな石と化してしまった、
埋められた空の沈黙よ (サルヴァトーレ・クァジーモド)
あらゆる「問い」の余白を通り過ぎる風のように、「眼差し」こそがあらゆるイメージと沈黙とを通り過ぎてゆく。
―――眺められたものの非現実性が
視線に現実性を与える (オクタビオ・パス)
私にできるの
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