走れ、走り続ける。/ブライアン
た。乾いた風、温かな日差し、冷たい風。友人にとっては景色のよい公園でしかなかっただろう。ペットボトルのジュースを口に運ぶ。何を話したかは覚えていない。友人は腕時計を見る。1時限始まったな、と言う。終わるまでここにいるか、と。
国道6号線を北上する。まだ走れ、という声がする。なぜ走るのだ、という声がする。風は乾いている。潮風だとしてもまだ、乾いているように感じられる。どこまでも走る。どこまでも、だ。ゴールなどない。あきらめた場所だけ、足を止めた場所だけにしかゴールは存在しない。生とは死の延長なのだ。どこまでも走り続けろ、と。
なあ、そこからは何が見える?そうだな、煙突と海が見える。
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