雪の照り返すこと???黒崎立体 “平川綾真智「胎児」について”/葉月二兎
 
」。
つまり「私」は/が、揺れているのだ。あたかも雪を通す光が空を揺らすように、
携帯の留守電は/が揺れている……第二連に注目してみよう。


  母のカレーが一番好きだと
  認められるようになった日に
  姉に子供が出来たのだと
  携帯の留守電が教えてくれた


そう、「私」はその揺れの中で「姉に子供が出来た」ことを知るのだ。

これは二つの「誕生日(birthday)」である。すなわち、「姉の子どもができた日」と、
「母のカレーが一番好きだと認められるようになった日」。
ここで言われている「母のカレー」とは、「私」自身の家庭を象徴する言葉なのだ。
たとえそれ
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