雪の照り返すこと???黒崎立体 “平川綾真智「胎児」について”/葉月二兎
お前にもそんな日があったんだろうね
お姉ちゃんの中でね
8センチでも生きようと
腹を時々蹴跳ばすって。
すぐにお前位になる
笑うんだ、そして。
おばあちゃん、って
母のカレーが一番好きだと
認められるようになった日に
私は携帯の留守電を聞き それだけで
掛け直すことなど出来はしない
第三連と第四連に注目してみる。
“かけ直せない”家族、あるいは電話。その留守電の内容は険悪なものではないと分かっている。
携帯の留守電の主は「私」の母親である。でもだからこそ「私」は「掛け直すことなど出来はしない」。
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