雪の照り返すこと???黒崎立体 “平川綾真智「胎児」について”/葉月二兎
 
れから生まれてくる子どもについて、雪の煌きとそれの創り出す雪影として二重化された
自らの家族のことを「私」は考えているのかもしれない。

「私」のながめているこの空は、「電線の向こうの変わり行く空」は、雪を降らせてしまう。

雪の結晶の冷たさも、その樹氷の連なりも、その痛々しく美しい姿を生み出す空とは
見上げればそこにある。誰にでも共通した「空」(あるいは「空」という言葉)。


  また昨日とは違う色を浮かべる
  今日の空を背景に続く
  電線を追いかけ歩いていると
  飴色に炒まったタマネギに注がれる
  コンソメの香りが 鼻をくすぐった

  続く電線の背景で
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