【批評祭参加作品】村上春樹の過大評価を考える/番田
しないということなのである。しかも、ああいったアメリカやイギリスの作家に見られるような消費文化としての普遍性に対しては、恐怖感を感じるということを私は否定することはできない。
例えば誰もが知っている作家であろう、ホラー小説の書き手などはアメリカには多く存在するであろう。それらに感化されたところで、人間として道徳心につなげられると言うことは、本当に困難なところである。これらはわかりやすいが、現代的なモチーフが多く使われているうえ、若者には、取っつきやすい文体だともいえるのかもしれない。しかも、これらは文学的な哲学性をはらんでいるのかといわれれば、否定することもできないという二重のクオリティ
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