【批評祭参加作品】空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集/石川敬大
 
す。泣いて少年に謝るのです。その姿をみて少年は悪いことをした、母親を泣かせてしまったと悔やむのです。「ごめんなさい かあさん」と言って悔やむのです。そして別な子なのですが、受刑者の子の心理は、じぶんの過去をこんな風に回想するのです。


  いつからだろう

 いつからだろう
 いっしょに歩くのが恥ずかしくなったのは

 いつからだろう
 距離をおくようになったのは

 いつからだろう
 話をしなくなったのは

 いつからだろう
 顔を合わせなくなったのは

 いつからだろう
 「ただいま」と言わなくなったのは

 いつだって
 笑顔を向けてくれた母さんな
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