【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
 
ことなどできない。そしてここまで読めば、書くことが指定する空白の正体もご理解頂けるはずだ。空白とはイマージュであり、それはすべてのイメージの根底にあるものなのだ。そして、世界はそれを漠然と限定するための表現に相当する。また、私が見てきた、書くこと/読むことの対立が曖昧であることもはっきりする。読むことが書くことにもなるのは、読むことがイマージュを操作することなしに遂行されないことを意味する。かくして、読むことと書くことの対立は揺らぎ出すのであった。

※私はイマージュという語を好んで用いる。これはベルクソンの用法にならったものではない。従って単にイメージと言い換えても差し支えない。しかしイメー
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