【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
空白の世界にあるイメージは抹消できない。しかしイマージュとして見たなら、イメージ一般との違いは明確であろう。先に扱ったのは心像としてのイマージュであり、すべてを消し去って残った無限の空白さえ包括する。また、イマージュは前述のアンチノミーによって指示された「無限」や「虚無」の概念を扱うことを可能にする。要するに、イマージュとは単純なイメージに還元され得ないものとして結実する。例えば文極において「イメージの連鎖」と呼ばれるものが指定するのは、描写としてのイマージュに他ならない。
こうしたことから明らかなように、世界とはすなわちイマージュの領域に過ぎない。そうしたものを一切排除して世界を考えること
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