【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
、そこに残るのは、一つの無限な広がりをもつ空白なのだ。空白それ自体は、色彩を持った一つのイメージである。私は最大限の努力を払い、このイメージの外皮を少しずつ剥いでみる。けれども空白そのものを抹消しようとしても、空白がそこから立ち退くことはなく、空白を消し去るためにまた別のイメージを導入したりするしかないだろう。こうして、私たちはイメージから逃れることはできない。人によっては、あるのはぼんやりとした暗闇かもしれない。闇と光のどちらが空白かというのは、この際考えないことにしよう。私は単に、黒や白を含めた色を考えずには、何もない(空白の)世界について考えることはできない、と言いたいのである。
空白
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