永久ギターと星の猫/kawa
 

 突然、僕が現れて、そのはしごを下から眺める。砂ぼこりがひどい。はしごの先には塔と夕空がみえる。
 ああ、このはしごは、いなくなった人でできているのか、と納得する。





 何人かの友人と、温泉宿にいる。内装は古く落ち着いていて、雰囲気がいい。囲炉裏は廃れた京都の旧家から持ってきたもので、大きな柱は流木を削って作ったという。その他の調度品も、全て捨てられていたものらしい。
 完全に調和していて、とてもそう思えない。
 考える力と体を動かす力がなくなっていく病気の仲居がいる。もう左腕を上げ下げすることしか出来ない。両腕を使えない客の食事を手伝うことだけが、仕事という。

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