永久ギターと星の猫/kawa
 
で、息子の一人が壊れてしまった。
 やぐらに向かって走りだし、上着のボタンをはずして、兵たちに、The Japanese ArmyとプリントされたTシャツを見せながら、『たすけてください、たすけてください』、と大喜びで叫ぶ。
 兵たちは、やれやれといった様子で、その子をなだめようとする。そのとき、ある兵がこの少年を撃った。兵長は、力の抜けた、笑ったような顔をして、ひゅうとやぐらから飛び降りた。それが合図だったかのように、他の兵も、少年を撃った兵も、次々とやぐらから飛び降り、いなくなる。最後の兵が、途中までのはしごを下りて、一番下の格をとりはずし、それで少年の墓を作る。そして誰もいなくなる。

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