かぐや指/salco
 
す、己が眼球と共にぐらぐら揺れる
床の先に、先刻までの皮より余程まばゆく光る横隔膜を見たのでした。
 そうだったのか!
 寝床から転げ落ちるが早いか、
「ええい、ろふぃな(どきな)」
 お爺さんからナイフをひったくると跪き、まるでエクスカリバーでとど
めでも刺すように、両手を振り下ろしました。
 
 ぼはっふ!!! 
 
 腐敗ガスの強烈な臭気が黒ずんだ血しぶきと共に顔を直撃し、お婆さん
はアッパーカットを食らったかのようにのけぞりました。あっ、つい、間
板が…。
「おい何しやがる婆あ、約束が…」
 言いかけたお爺さんも傍らで思わず息を飲みます。
 ぽっかり開
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