「虚喩」ってなんだろ/紙飛行機
 
い発見だし、見事な思想だと思うんですね。
つまり中長距離のトラックレースと同じで、
喩の進化が一回りして、最後尾と最前列が並んだ状態なんです。
ですから暗喩表現が出現する前の古代人は上の例でいうと

      ・きみの脚はほそい

という言い方をしていたというのですね。
でもこれじゃ現代のストレートな物言いとどう違うのかと反論したくもなりますが、

      ・きみの脚はほそい

と古代人の「きみの脚はほそい」とでは雲泥の隔たりがある。

これをもう少しわかりやすく説明すると、比喩の進化の過程というのは
ひとつの山を登ることに似ている。
とわたしは思うんです。
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