「荒地」を読むための諸前提 1/るか
ることの困難を
感じさせないではいないと思います。死、破滅、不安、絶望、暗黒、憎
悪、等など。暗い、重い、スケールが大きい。現在好まれる詩の特徴の
、ちょうど対極をなしているかのような世界が、そこには展開している
。しかし、そこで本を閉じてしまわないで欲しい。ほんの少し注意深く
みつめるならば、これらの言葉の層の奥に、光を、希望を求める明確に
倫理的な意志が脈々と流れていることに、読者は必ず気付かされる筈で
す。その企図はマニフェストのなかに明確に書き込まれています。
「荒地に生きているという暗い経験世界の終末的な幻滅感から一条の
光線を摘みとること」
「破滅からの脱
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