anne/Oz
 

斜視を直した。
鏡の中、
そこには
最盛期の彼女の母親に
瓜二つの存在がいた。
ただ髪が黒いだけだった。

彼女はサングラスをかけ
路上に出た。
彼女は歌を歌った。
歌を作った。
短大に行き、
音楽の勉強をした。
インディーズレーベルから
いくつかCDを出した。
それは少ないお金になった。
そして、
今の夫と出会い、結婚をした。

彼女はサングラスを外す。
「どう?」
「うん、すごく綺麗だ。」
「ありがとう。」

アンネの目から涙が溢れる。
僕はサングラスを受け取る。

アンネの母親は
いつだって彼女の側に立った。
いつだって彼女を守っ
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