anne/Oz
のように。
ただ彼女は笑うことも無かった。
年を経るにつれ、
僕は彼女から離れていった。
僕らは男と女だったし
何より
僕は脆弱だった。
中学を卒業すると
アンネと会うことは無くなった。
そして、
彼女の母の死の報せが
長い年月を経て
僕らを再会へと導いた。
アンネは
大きなプラスチック製のサングラスをしていた。
「中学卒業と共に
買ったの。
ある意味この目は
私にとって
全てだったから。
その全ては
ご存知の通り、
不快な物でしかなかったから。」
彼女はその後
ギターを持って
路上に立った。
幾日も
幾日も
ただ歌い続け
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