寝言は役に立たなかった。/真島正人
、ゆっくりと飲んでいろいろなことを話そう、と約束したところだったのだ。
携帯のアドレスは知っていたが、PCのアドレスはお互いに知らなかったので、年末の町内会の忘年会で、交換し合ったところだったのだ。
彼は「政治の話なんかしようよ。今の情勢についていろいろ話したいからさ」と言っていたところだったのだ。
僕が真空管アンプを持っている、というと、彼はPPMや高田渡のレコードを持っているといい、僕は今度それを聞かせてほしいなと思っていたのだ。
小説の話をして、彼が好きな作家の名前を教えてもらったのに、酔っていて忘れてしまって、今度もう一度訊こうと思っていたのだ。
二日前、僕が今やっている仕事に、
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