大宰府にて/soft_machine
 
り雨を振い、佇み…。
 母親が言います。
「逆瀬谷で、何回か見て…あとは紅葉ヶ丘の家でも見たわ古刹。」
「紅葉ヶ丘におったとね。」
「何回か見たわ。」
「知らんやった。」
 風が強まって雨も斜めですが、どちらも笑顔です。
「あと一回。飛んで欲しいね。」
「ほんと、ねぇ、もう一回飛んで見せて。」
 母親は語りかけますが、じっと10分くらい眺め、身体も冷えきって、諦めることにしました。
 カワセミ、思ったより嘴がちいさかったです。雨の中、その輝きは慎ましいものでしたが、晴れの日はきっときらきらとするのでしょう。
「鳥は燕が一番好きやったばってん、変わったよ。」
「そう。」

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