とっとと落選したい公募応募らいふ。/小池房枝
 
す。言葉で遊ぶのが楽しい。言葉と遊ぶのが楽しい。公募ガイドが紙の雑誌だというのは大きな利点でした。記事を眺めやりながら思いつくものをその瞬間瞬間に幾らでも書き込んでおける。そのままネタ帳にできる。わざわざ図書館に取り寄せてまで読む諸書も自分にとっての思いがけない読書を広げるきっかけになりましたし、何より十数年ぶりか数十年ぶりかで手にした原稿用紙。
 原稿用紙に、下手は下手なりに、こまこまと字を埋めて行く作業は、こう、なんというか、仕事してるぞって気分になれて、一枚であれ、二枚であれ、物を作っている実感、幸福感とでもいえるようなものがありました。作家諸氏が大作を脱稿したときのやったーという達成感を
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