『しろう』-永遠未完小説-/しろう
 
の変異体に最後のY染色体保持者が殺害されるという経緯があったとされる。(詳細なエピソードはここではさほど重要ではないが、現在の研究では、神話になぞらえて史実が改変されたというのが定説で、実際は歴史上最後の男女の怨恨騒動だという説もあるほど。なにゆえか最後の一人となった男性の遺体やその記録はほとんど残されていないために、その説もあながち否定はしがたい)
そしてこの歴史以降、わたしたちは己の種に自虐を込めて「ホモ・オイディプセンシス」と分類・命名することになり、「第10のアダム」が産まれた年を紀元とする、A.O.(After Oedipusensis)という暦法を用いることになる。



[次のページ]
戻る   Point(0)