ほこりと夕日/モチヅキゼロ
にぐいっと腕を掴まれて、私の目を一点に見つめて睨みつけている、
腕が次第に痛くなってきて、振り払おうとしても腕をきつく掴まれた、それを二、三回繰り返し、もう一度飯塚君を見た、
飯塚君は笑いながら私を見て、少しだけ涙目だったことを隠すようにぎこちない朗らかさを出していたが、とても悲しそうだった、
その瞬間、私は倒れたらしい。
目が覚めた時は保健室で、保健室の先生は軽い貧血ですね、と事務的に言い放って職員室に行った、担任でも呼ぶのだろうか。
上半身を起こすと、座って寝ている飯塚君が目に入った、飯塚君の寝顔はやはり朗らかであった。
「飯塚君、私、あなたのこと好きになれないわ。」
夕焼け
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