ほこりと夕日/モチヅキゼロ
焼けがカーテンの細い隙間から入ってきている、隙間の近くにある観葉植物の葉にはほこりがあって、ふっと吹きかけてみたら見事に飛び散った。
ほこりが綺麗に光っている、私はもう学校に来ないだろうと直感的に感じた。
案の定、私は保健室を出てそのまま学校へ行かなかった。
うわさを耳にした、飯塚君はそのあとすごく後悔し、僕が悪いんです、と担任に処分をお願いしたらしい、しかし、素行の悪い私がいなくなってせいせいした担任は、飯塚は悪くない、で終わったそうだ。
飯塚君は学校を卒業してから大学に進み、物理を学んでいるそうだ。
そういえば、飯塚君はいつも物理の成績だけは一番よかった。
保健室、夕日、ほこり、綺麗だね。
飯塚君、あなたはきっとわからないだろうけど、私は覚えているんです、君があの時うっすら目が覚めていたことは知っています、気づかないふりをしておいた、私が学校に来ないことを悟ったのかもしれない、あの時また腕を掴まなかったことが、それが飯塚君にできる最大の優しさだったのですか、私はそれが一番知りたい、教えてください。
良心を売った日、私は飯塚君に会いたくなった。
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