ほこりと夕日/モチヅキゼロ
いて、優しそうな一重でみんなを見据えていた。
飯塚君は物腰柔らかな口調で、言葉の表現も絹のように柔らかだった、しかしながら、飯塚君はもてなかった。
いい人ね、で終わってしまう男子だったのだ。
私は飯塚君の口調やダイレクトではない言葉を発するたびにいらいらしていた。
飯塚君とは対照的に私はずけずけ物を言う性格で、バカって言葉で終わらせればいいものを、飯塚君は悪い点を述べてから注意する、
それが好感を持てるのは分かるが、私はそういう言い方は面倒なので嫌だ。
一度、飯塚君が怒ったことがあった。
私がクラスみんなで力を合わせてやるべき劇を途中で面倒なので放棄し、多目的室を出たときにぐ
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