12月1日の夜に/桐谷隼斗
 
ことばにする前に果てしなく傷つけられていた 
もうことばにできないと思った 伝えることができない 
「意識」の前に死ぬことば
 「意識」した瞬間肉は裂け見えない血が噴き出す!
 仮面をかぶればいいよと街の女の子はいうけれど
どこにいる  
どこにある
わたし! 
視線を研ぐ 右手にペンを 左手に本を
つむぐ-ほろぼす
自分のために戦っているんだ
あの日言うべきだったことばは
白い墓地で眠っている!
脈打つ激しい地表 堰が 噴火する 純粋に 他者でなく やってくる 植物のような 弱い色 強いうねり
しなやかに回転
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