12月1日の夜に/桐谷隼斗
回転する
巻き込め 自らを
誰でもない 声帯を震わせ
楽器になる 孤独はその時やわらかな夜の旋律となり張り裂けそうな胸から一枚の絵
題名「亀裂から溢れ出すもの」
闇ではない 愛そうとしている
光ではない 美化してはいけない
机の前で向き合うことが
辛い歓びと怒りの果ての落ち着き
歯がゆいな
裸のままで
産まれたいがために
虚飾していた自分は
今
君にすべてをぶつけようとしている
ときめきではなく 「死ね!」で伝えられるほど簡単な
感情ではなく
裸足で駆けた海岸線のように
無垢な叫び声で
飛ぶ
今
産まれる
戻る 編 削 Point(0)