詩を読む5/地獄のペチカ
た。その狂気はまさしく覚悟であり、無意味の意味が反響する世界で、その軌跡を追い続けることに他ならない。世界は永遠に続くが、「僕」の命の時間は決まっている。だからこそ、「僕」には意味が存在し、「僕」が放つ言葉にも意味があるはずだった。だが、狂気の後に何が残るだろう。無限に反響する意味の無意味が「僕」の狂気さえも無意味に変えてしまったのだ。そして、「僕」は今、無意味の前で「僕」の意味に「たじろぐ」。すでに、かつて、と言い出しはじめるものだけにしか、意味を与えられないでいる。なぜか。答えは知っている。既に起こってしまったことは、既に起こらなかったことよりも確かなことだからだ。
タバコをの火を消す
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)