病気/猫のひたい撫でるたま子
乗った。そこからもう気分が悪かった。
その日、恋人は就職の二次面接だった。行く前の電話は出られなかった。
帰ってきて携帯が鳴ると、その場でバイトから採用になったらしい。半年間の試用期間を経たらもしかしてプロデューサーの仕事に就けるかもしれない。今年で一番良いお知らせだった。私の方は?と聞かれたが、IT企業とポットプレートでは話にならないと思い、ひみつ、と伝えた。
次の日から私は寝込んだ。朝起きて気持ちのいい11月の公園を散歩するでもなく、じっと布団の中に居た。布団のなかで読んでいた小説は水に関するお話で、人が瑚を泳いでいなくなってしまったり、ただ人が居なくなってしまったりする入り込んだら
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