ハイパーサマーミュージック/ブライアン
 
終わらない、と。大人ばかりの祭りの中、一人で歩き回る。
 夜に浮かぶ屋台の光はとても耐えられえるものではなかった。あまりにその光は輝いていた。一人だけで歩く。まだ何かある、きっと何かが待っている。この屋台の向こうに、好きな女の子が待っていてくれる、と。

 神社の横の小高い山の上、一人きりで屋台の光が消えるのを見ていた。ついさっきまで大声を出して騒ぎまくっていたのが嘘のようだった。夜の空には無数の星があった。立ち上がる。洋服には祭りの匂いが付いている。軽くその匂いを手で叩く。思っているよりもその匂いは消えない。下り坂を進む。闇は深くなる。星の輝きは増す。虫の声が包む。家の光が見える。国道には
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