ハイパーサマーミュージック/ブライアン
にはトラックが走る。その向こう、好きな女の子の家がある。きっと、もう寝る準備をしているだろう。
知っていることだって、忘れなければいけない。彼女には好きな男のがいた。ずっと好きな男の子だった。彼女はその男の子を探していたのだろう。明るく輝く屋台の光、唸るモーターの音。大人達の間を潜り見つけた、彼女の好きな男の子の顔は、どんなだったろう。彼女もまた何かを期待していたのだ。予想も出来ないことが起こることを。そして、男の子も女の子も祭りから姿を消す。明かりは消され、静かな夜がやってくる。国道にトラックは走る。大声を上げても誰の耳にも届かない。夜の闇はすべてを溶かす。ひんやりとした風が吹く。もう秋
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