夜の取引/番田 
 
な歌の歌詞をたどりながら、見ていた風景とそれを取り巻いていた友達の姿を思い浮かべながら、家に帰った。手に持っている鞄が揺れていた。書類が口々に明日の行動についてをやかましく私に要求した。しかし私はそれとは取り合わず、会社の部長に直帰する事を伝え、それについてのさまざまないきさつをひねり出しながらアパートのドアを開けて携帯の通話を切った。


3
夜の闇の中で、売り上げについてを思い浮かべる。私には今月ノルマを達成することはできないだろう。部長にも合わせる顔がなくなる。部長は、私を解雇するかもしれない。この間部長が私を忌み嫌っているという噂をどこかで耳にした。私は最近、麻薬の取引に手を出した
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