夜の取引/番田
した。商品としては利益率は高く、しかも誰にでも楽に裁ける代物だった。わたしはインターネットを通じてこれを販売しようと目論んだ。会社を解雇されてもこの方法を使えば、しばらくは食いつないでいけるようにも思えた。粉をメール便を使って送れるように薄い容器に入れると私の鼻をその匂いが掠める。それは長い間、世界中の人間たちを蝕んできた、悪魔の薬であることを私にわからせた。私は今日もベッドに深く身を埋めて、何も思うことなく眠りに落ちていく。今日もコンビニで何個か注文の主に送ったばかりだ。2ヶ月ほどそんな商売をはじめて、今では仕事をしているときとは比べ物にならないほどのお金を手にしている。今月の成績次第で、部長は私を解雇するように思えた。私は自分が麻薬の常習者にならないことを深く願いながら眠りに落ちた。
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