中編小説 心と口と行いと生活で 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
済しない限り、永遠に永遠は続くので御座います」
「もし、私が?あの方?を救済してしまったら、貴女や此の城はどうなるのですか?」
「私や此の城は此の世界と共に年老い、いつかは貴方様と共に、現実の世界の一部と成るでしょう」
「私達現実の人間が持つ記憶とは、やはり?脳の外部?に?記録?しない限り、そのまま肉体と共に腐敗し、やがては消えてしまうのですね?」
「現実の世界は、其の世界を生きた人々の記憶で溢れています」
 王女は私の方を向き、真剣な表情で答えた。
「だから世界は美しい」
「その通りです」
「其の世界から生まれた人間も、やはり美しいのですね」
 王女は私の其の言葉には答える事は
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