天体観測/時間が蕩けるアインシュタイン
晴れているね。駄目だ、星空を直視する事ができない。涙が溢れてくるんだ。君は学校祭の夜、一人教室から星空を眺めていたね。君も僕も皆とはかなりずれていたね。学校祭のイメージソングが「天体観測」だったね。僕は小汚い箒をギターにして皆の前で無理をしておどけていた。でも、君の前でおどけることは無かった。何故なら、君の前では正直でいられたから。吹奏楽部の定期演奏会、楽しかったね。だけど、その後の事を思い出そうとすると、胸が苦しく成る。苦しい中、君と同じ位苦しい中、大きな公園の湖の畔で月を見上げる。二人で一つ。初めて君と手を繋いだ夜。
冷たいリノリウムの床の上で、君が溺死している。僕は日溜まりの中から君を抱き
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