天体観測/時間が蕩けるアインシュタイン
抱き抱え、焼き爛れた瞳で心の中の太陽を握り潰す。アタラクシアの匂いが漂って来る。青りんごが反時計回りに回転している。其れに噛み付いて前歯が折れる想像をする。精神病院の白いリノリウムの廊下の上で、僕の負の感情諸々が煮え滾っている。僕は時々思うんだ、もしもっと早く君と精神病院に隔離されていたならば、君は自殺なんて下らない事をしなかったんじゃなかったか、ってね。僕とセックスしようよ? 今からでも遅くない、僕とセックスしようよ? 僕は、君の瞼に自分の瞼を食い込ませたい。世界中の日溜まりを買い占めてさ、あんな暗い場所じゃなく、日溜まりの中でセックスしようよ? 僕が君から訊きたい事はただ一つ、どうして自殺なん
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