中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
てたのが一転して、父親が僕達のことをいかにも悪いように親戚中に言いふらし関係が悪化してしまい、それに耐えきれなくて、僕の方から縁を切ったよ。父親には既に四人の隠し子がいて、大きくなった子供達を、僕のマンションに呼んだりしていた。子供達には罪は無いけれど、僕はその子供達の事を人間としての資格を剥奪させて見下ろしていたね。?こいつらは人間じゃない。肉の人形だ?って。けど、君も僕の立場だったら絶対にそう思わずにいられないだろ? …やっぱりその、父親達がこの世界に存在していると考えただけで、虫酸が走って、心が掻き乱されるようになるよ。…話せば話すほど。僕の父親への恨みは、底無し沼のように、果てがない」
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