臨床詩作法 / ****'04/小野 一縷
圧力で 一息に訪れた
注ぎ続ける 血液流動の経過 生命の進行
僅かでも 硬度を高めた 時間 それを 削り続ける
血走ってゆく 眼球とノート 藍色に
繊細に鋭利に染み込んでゆく
この この時の 時間色に滲んで 変色してゆく 言葉
獣が鳴いた
遠吠えが 月を一層輝かせる 雪のように冷たく
呼ぶ 冴えを 絶対零度に限りなく近い 引火性の
焦点を絞れ ドリルのように螺旋に 何処までも硬く 回転させる
思考を 螺旋に回せ 回転軸は 生命の進行位相軸に 同調させる
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同 23:52 物質C 40mg投与
甘い象牙の粉 吹き荒れる 枯渇した湖の
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