臨床詩作法 / ****'04/小野 一縷
熱に
冷めやらぬ 逆巻く 滾る血を 凍えさせろ
刺さる冷たさを知れ 意識 尖れ 刺せ
沸騰している言葉だけを 脈動する詩句を
血生臭い脊髄を 撫でる圧力で貫通しろ
振り回して 言葉を ずたずたに正確に 緻密にぶちまけろ
飛び散って 凝固
思考時間質量上に増殖する 無意識の小数点
雨と降らせて 粉砕しろ
白銀に霧散する 詩句の原子 その輝きだけを 追う
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同 3:07 物質T 4mg
乱雑に輝いている黒い水晶を 黒い金属で砕きたい
粉々に鋭利な黒檀の破片で 夜空を裂いてみたい
星が降っている 雪のように 薄く ひらひらと
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