臨床詩作法 / ****'04/小野 一縷
だ 温く 深く 硬く じんじんと静かだ
まるで音楽を捉える 聴覚の呼吸のように
空白に澄んでいて 静かだ
静妙
震えている 心地好く 熱に震動しているんだ
この熱を 君に伝えたい 君をこの波で覆いたい
そして 君が宿す その熱が ここに伝われば
君は確実にぼくのものになる ぼくは君のものになる
黄金色の灯りを揺らす ランタンのように
胸は暖かだ 心臓を太陽の象徴として 夕陽に掲げたい
人格を持った そんな安直な偶像神を ぼくは信じない
熱が裂いてゆく 身体中を 血になって 熱く深く
ぼくは 太陽を 信じる 熱を信じる
そして雨 雪 冷気を信じる 温度という事態を
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