臨床詩作法 / ****'04/小野 一縷
 
in/60secの経過を意識しながらも
その進行係数の増加には 思考の指向性を伴わせないこと
むしろ 反比例させること 多方向き
斜線と曲線が交差し離反してゆく様を 脳裏に複数投射させること

感傷と感慨を意識下において 今は言葉を摘出しないこと

詩句と詩句を繋ぐ 空白な空間に自生する詩情
詩足らしめる それらの要素は不可欠であること

意識構成原子図 一見乱雑に見え 
しかし微分整然とした その広大でもある図式を
詩作によって試行すること

各身体細胞の誕生と死滅に関わる微細信号の発信に合わせて
詩の最小単位 文字の発生速度数を絞り込むこと

∞型の真空管の中
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