銀杏の葉 /服部 剛
 
君の母の納骨式が行われた日の夜 
朗読会の司会を終えた僕は 
仲間達に手をふって 
高田馬場駅に近いコンビニの公衆電話から 
( 今、終わったよ・・・ )と、君に言った。 

久しぶりに家族と親戚をもてなして 
疲れた君のつれない声に 
僕はがっくり肩を落としながら 
山手線に、揺られていた。 

日づけも変わり 
人気少ない戸塚駅から電話すると 
僕の勘違いで君は隣の 
大船駅で待つ、車の中から 
( えぇ!戸塚?今すぐいくから・・・ )と、僕に言った。 

深夜3時の宿で 
僕等はふたりでひとつになり 
湯舟に沈んでいた 
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