結婚披露パーティーで読んだ手紙 /服部 剛
 
吹き抜ける風に吹かれながら、僕は運命の女(ひと)と出逢う日を知らずに、歩き続けていた。 

 僕と出逢うまでの間、彼女は両親の介護に追われ、一人夜の竹薮に車を停めて、涙で頬を濡らしていた・・・僕は、瞳を閉じる・・・夜の竹薮で泣いていた頃のあなたに・・・逢いにゆく。 

 僕は人前で最も多く読んだ「 空中列車 」という詩の中で( 21世紀よ、そ知らぬ顔の青空よ、愛する女(ひと)の本当の抱きしめ方を、教えてください )と語った。その言葉がようやく、実現した。偽り無い思いであなたを抱きしめる時は、言葉にならない・・・本当に大切なことは、言葉にならない・・・一篇の詩で本当に伝えたい
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