夢散 / ****'04/小野 一縷
 
沈下 上昇 開放 収縮
ミニマムに 毎夜 無音で リピート 
ループする リフレインの 無限軌道の 歩みに
聴覚で感知できる 足音は 無い
せめて こうして 足跡を ペンで 書き残して



 ここで 静寂が 身籠って いるのは
 色彩 淡い水性の 変調律
 それが胎動 静から 
 泡 涌いて 否 生まれて
 響き 揺れる 水面の 奥底
 ひとりぼっちの貝 
 もの言わぬ 唇が 囁く 歌 ここに



静寂から滲んでくる脈音 その余韻
月影にだけ生える苔の薄緑
故郷を無くした詩人 ロンデルを詠う
主の側 蒼い馬が 軽く 尾を振る


静寂から毀れ落ち
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