Whale song/月乃助
 
ることができなかったはず
星を繋げて星座を生んだように


今宵も

私の内に、

なだらかな背の流線をみせる鯨が、目覚める
月光の光りの帯に交わりながら
その背にある無数の傷跡 その文字の羅列に
答えを捜す


鯨は潮を噴きながら 息をつき
息をつきながら 鳴き声をあげる
それは、旋律のある水を伝う歌声
私は、その声を昔どこかで聞いたのかもしれない
それで、こんなにも懐かしい


母のうちなる鯨
羊水の中の歌


だから 初めから偽りがあったのではないのです


私はただ海獣を理解しようと、
星の飛沫をあげるその鯨に目を凝らし
耳を欹て
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