バックミラーに映る景色/仁惰国堕絵師
 
気にします”
”やってくる景色より、後ろに流れる景色のほうがやっぱり私には大事ですから”
”それでも車は前に進んでいくんですよ”
”あなたもきっと、・・・大丈夫ですから”

車が走り去った後、私はそこへ呆然と立ちつくしていた。

実は私は、ここへ死ぬために来たのだ。
もう生きていくことにほとほと疲れ切っていた。
けれども運転手さんのあの最後の言葉に、一瞬なにかすっと重い荷物から解き放たれたような気がした。

放心した心と憔悴した身体で、私はぼんやりと考えた。
”まだなにか、私にやれることが残っているかもしれない・・・”

私は決めた。
こんなところまで来てしまったけれ
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