演劇の有用性について/salco
 
ないだろう。善悪、神や悪魔に類する力学的新生物を案出した庶民階級は、多分いない。神は権力の箔づけの為に
為政者側から提示され、対立項としての悪も、意匠から出自の枝葉末節に至るまでシャーマンや律法学者のような知識階級が編纂したものだ。
幼い頃テレビで観た「ミクロの決死隊」も「ドクター・何とかの不思議な島」も、プロットや映像技術が貧だからと言って馬鹿にはできない。40年以上も
前の茶番劇が現在の細胞治療と遺伝子操作を如実に言い当てていた、その意味では人智が向かうもう1極のベクトルを描いたアーサー・C・クラークと
スタンリー・キューブリックへの敬意に等しく値するのだ。とりも直さずそれは人間の想像
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