演劇の有用性について/salco
想像力と、どんな荒唐無稽をも実現化してしまう潜在能力への敬服で
もある(科学があらゆる現象を解析し想念の具現化を目指すものである以上、知の予測性に感嘆する意味はない、というような事を阿部公房が書いてい
たが、私のような知能ではこの程度の認識しか持ち得ない)。
そしてそれは活字の行間に黙然と見るより、スクリーン上のCG合成で観るよりも、数十メートル先で生の息づかいと共に展開する劇場空間が、最も原初的
かつ強烈な同時体験としての感応を惹き起こすのは間違いないところだろう。舞踏も然りコンサートも然り、キリスト教徒のミサなんかもそうだ。おおよそ
の人間は人間に、とりわけ生身の人間に最も強く感
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