演劇の有用性について/salco
 
えばヴェスピオの火砕流が向かうポンペイで、御巣鷹山の尾根へ激突する日航機の中で、頭を抱え両膝を胸に引きつけるフェイタル・ポジションを
取った人々が内包する恐怖と絶望に対し、あの世の主でもこの世の家族でもない文明は文化は文学は、一体何をしてやれるのか。


〜拝呈〜

そこで、演劇がこれから負うべきテーマは一体何なのか、そのステージは何処にあるのかを御教示頂きたく思うのです。
それはやはり予言ですか? 笑止千万な小劇場的小手先の惑乱や商業演劇的予定調和の回想でないとしたら、相も変わらぬ絶望の共有だけなのでしょう
か。余りに古臭いベケットやイヨネスコの内省宿便を見飽き、くされヨハネや亜
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