演劇の有用性について/salco
 
叫んで
いた70年代の演劇状況を垣間見られる機会が、自分には途方もなく有り難い。遅きに失して知り損ねた猛々しい知性の企て、その訴えは、今なお観客を高
揚させ、憧憬を掻き立ててやまない。
これは酒呑み、法螺吹き、狂人など、社会から愚者・阿呆として疎外される者達の船出を描いた演劇だったが、人工池の上に舞台を組み、美しい投光の中で
展開された華々しくもおどろしい祝典については、門外漢が感想を述べたところで価値はない。帰宅後は興奮を整理する為に、演劇の役割について改めて考
えてみた。


〜個〜

「わかってもらえない」「許容されない」
社会的阿呆でなくとも、これは人の胸にいつもこだ
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